あやなりBP

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2023年7月掲載
市東 完吾 さん

市東 完吾 さん

(文教大学教育学部学校教育課程音楽専修/4年)

作曲を通じて音楽の世界が広がっていく

 音楽との出会いはいつですか?この質問が一番困ると笑う市東完吾さん。物心ついたときからそばにピアノがあり、即興で弾いたり、幼稚園で歌った曲を「耳コピー」して演奏したりしていたと言う。そんな才能に恵まれながら音楽大学へ進まなかったのは、小学生のときから「先生になりたい」という夢を持っていたからだ。「先生×音楽」といったら道は一つ。中学校の音楽教員を目指して、文教大学へ進学した。
 即興で音楽に親しむことができた市東さんだったが、大学の作曲の授業で初めて、頭に浮かんだ音符を五線譜に書き、楽譜という形にしていくことを学んだ。楽譜にすることで再現性があり、誰でも演奏することができる。このことが一番うれしいことだった。
 「奏者によって捉え方や表現が変わるのがとても新鮮でした。私が考えた曲のイメージというのはありますが、いろいろな人の手を経て曲の世界が広がっていくのが楽しい。また私の曲を介して、奏者が集まり、人と人のつながりができることも作曲をやってよかったなと思うことです」

勉強を続け作曲コンクールで最優秀賞を受賞

 音楽の聴き方にも変化が起きた。いいなと思う曲を聞くと、「楽譜が気になる」のだ。
 「この曲はこういう音符の連なりで作られているのか、ここはこういう技を使っているのか。楽譜を見ることはとても勉強になります。美しい楽譜を見ると、萌えますね(笑)」
 昨年は「第5回記念総(ふさ)の国童謡作詞作曲コンクール2022一般部門」に応募。応募作品「あきのこみち」は友人に詩を書いてもらうことから始まり、言葉の意味やイメージを大切にしながら、曲を譜面に書き起こしていった。結果は、最優秀賞。学外でも評価されたことで、作曲を教えてくれた先生に恩返しができた。
 卒業年の今年は教員免許の取得へ向けてラストスパートをかけると同時に、4年間の集大成として、卒業演奏会で自身の作曲作品を披露したいと考えている。

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    • しとう かんご
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