あやなりBP

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2026年7月掲載

【特集】全国の校友に会いに行く in 北海道

日本各地にいる卒業生を訪ね、地域に根ざした暮らしぶりを聞きながら、地元のいいところ、おいしいものを紹介してもらう企画です。第二弾は北海道。校友のおすすめを巡って、北海道を旅してみてはいかがですか?

三枝 千晃 さん

三枝 千晃 さん

(文教大学教育学部学校教育課程体育専修 2019年卒業)

「楽しい」から始まったラグビーに全集中。
2024年パリ五輪の舞台へ

 女子7人制ラグビー日本代表「サクラセブンズ」の一員として、2024年のパリオリンピックに出場した三枝千晃さん。世界を舞台に戦う現在の姿からは想像しにくいが、ラグビーとの出会いは偶然だった。
 東京都で育った三枝さんは、中学時代はバスケットボール部、高校では陸上部に所属し、短距離と砲丸投げに取り組んだ。身体能力には自信があったものの、当時はラグビー選手になる未来など想像もしていなかったという。転機は高校3年生の時。体育の授業にラグビーがあったのだ。初めて楕円球を持ち、タックルを経験した瞬間、「もう楽しくて仕方なかった」と振り返る。コンタクトへの恐怖はなく、むしろ自分に向いている感覚があった。
 幼い頃から、将来は教員になりたいと考えており、教育学部のある文教大学へ進学した。その一方で、ラグビーをやりたい気持ちは衰えることなく、本格的にラグビーをやってみようと、キャンパスのある埼玉県内でクラブチームを探し、女子ラグビーチーム・アルカス熊谷へ加入した。
 「埼玉県内なら近いだろうと思っていたんですけど、越谷と熊谷って結構遠かったんですよね」と照れ笑いする。
 競技経験者が多い環境の中、基礎から必死に学んだ。7人制ラグビーは15人制と同じスペースを少人数で守り、走り続ける競技である。瞬時の判断力、スピード、そして接点での強さが求められる。スピードとパワーは陸上競技から、持久力や瞬時の判断はバスケットからと、これまでのスポーツの経験が生かされ、めきめきと頭角を現していった。
 大学2年生からは熊谷に住まいを移し、ラグビー漬けの生活に。大学での授業と競技の両立に追われつつも、教員免許取得に向けた学びはしっかり続けた。小学校での教育実習では2年生を担当。「子どもたちがかわいくて、かわいくて。ただ一緒に遊んでいた記憶ばかりが残っています」とほほえむ。文教大学での4年間はあっという間に過ぎ去った。だが勉強とラグビーの二足の草鞋(わらじ)の生活は、人としての強い土台を築けた時間でもあった。

日本代表のジャージ。日本代表には2021年から参加

憧れのオリンピックの舞台に立つ

 大学4年生の時に全十字靭帯を損傷する大ケガを経験。「1年以上プレーできず大変でした。この後、プレーできるのか不安な気持ちに襲われることもありました」という。それでも辞めることは考えなかった。まだまだラグビーに魅了されていたからだ。
 所属先のクラブチームのヘッドコーチが北海道のチームに移籍し、三枝さんに声をかけてくれたことがきっかけとなって、大学卒業後は北海道へ。男子ラグビーチームも持つ「北海道バーバリアンズ」の女子チーム「ディアナ」に所属することに。北海道での生活は「冬が半年間くらいあることにびっくりした」と苦笑いするほど、予想よりも大変だった。それでも、その環境が選手としての成長につながった。
 冬は屋外グラウンドが使えず、室内トレーニング中心になる。だが、その時間が体の強化につながり、接点で負けないプレーを磨くきっかけになった。167センチ、68キロの体格を生かしたパワフルな突破は、彼女自身の大きな武器となっていく。
 2021年から、日本代表に招集されるようになった。「毎回コンスタントに呼ばれるわけではないんですけれど、でもずっと代表を目指していたので、代表合宿に招集されるのはすごくうれしかったです」と目を輝かせる。
 2023年のパリオリンピックアジア予選では、カザフスタン戦で先制トライを決めるなど、オリンピック出場権獲得に貢献。そして2024年、ついにパリオリンピックの日本代表入りを果たす。パリでは世界の強豪と対戦。過去最高となる9位という成績を収めた。「世界で戦う」という経験は、三枝さんに新たな課題と可能性を与えた。
 現在も所属する北海道バーバリアンズ・ディアナで競技を続けながら、さらなる成長を目指す。高校の体育で偶然出会ったラグビーは、人生を大きく変えた。仲間と出会い、世界の舞台にまでたどり着いた三枝さん。その歩みは、“好き”という純粋な気持ちが、人をどこまでも成長させることを教えてくれる。

  • 相手ディフェンスに真っ向から突っ込む力強さが三枝さんの持ち味
    相手ディフェンスに真っ向から突っ込む力強さが三枝さんの持ち味
  • 北海道バーバリアンズディアナでは、主力としてチームを牽引。青いヘッドギアを着けているのが三枝さん
    北海道バーバリアンズディアナでは、主力としてチームを牽引。青いヘッドギアを着けているのが三枝さん

北海道バーバリアンズ

ハイレベルなラグビーパフォーマンスを追求
 ラグビーを中核にする総合型スポーツクラブ。クラブ日本一を目指す男子チームだけでなく、女子ラグビー7人制チーム、愛称「ディアナ」も有する。日本代表プレーヤーや外国人留学生などが在籍し、ハイレベルなラグビーで国内の大会はもちろん、国際大会にも数多く参戦する。

  • オジムなどが入った、北海道バーバリアンズの施設。建物の左下には三枝選手の写真がある
    ジムなどが入った、北海道バーバリアンズの施設。建物の左下には三枝選手の写真がある
  • 定山渓の山々に囲まれた自然豊かなメイングラウンド
    定山渓の山々に囲まれた自然豊かなメイングラウンド
    • profile
    • 三枝 千晃 さん
    • さえぐさ ちあき
    • 北海道バーバリアンズ・ディアナ所属
      文教大学教育学部学校教育課程体育専修 2019年卒業

      文教と私
      大学時代を振り返ると、何を食べてもおいしかった学食や友人に助けてもらった講義のことを思い出します。こうしてラグビーを続ける気持ちを持てたのは大学時代。今につながる土台をつくってもらいました。
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