あやなりBP

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2024年8月掲載
橋本 陸生 さん

橋本 陸生 さん

(文教大学情報学部情報システム学科/2年)

誰もが吹いた経験のあるリコーダーで難曲に挑む

 「ノリで出場したので、こんな大ごとになるとは」と苦笑するのは、2023年に越谷キャンパスで開催された文化会本部主催の「S-1グランプリ」(2日間にわたって行われる、音を使ったパフォーマンスなら何でもありの音楽祭。学園祭や体育祭と並ぶ一大イベント)1日目の部で優勝した橋本さんだ。「りくおのリコーダー」というソロユニットで出場。米津玄師の「KICK BACK」やボカロ曲「強風オールバック」「千本桜」をリコーダーで演奏して、高い技術力に加え、楽器と曲目の意外性で観客の心をつかんだ。
 橋本さんは、普段は湘南キャンパスの吹奏楽部に所属しクラリネットを吹いている。音楽研究会でバンドも組んでいて、ドラムを担当するという多才ぶりだが、本格的に音楽をはじめたのは中学校で吹奏楽部に入りクラリネットを担当してから。小学校のときは授業でリコーダーを吹いた以外に楽器の経験はなかった。
 「中高の授業でもリコーダーがあったのでクラリネットと並行して練習していました。クラリネットの練習に疲れるとリコーダーを吹いて気分転換していました」
 S-1グランプリでリコーダーを選んだのは、誰でも吹いたことのあるポピュラーな楽器だという理由からだった。
 「単純な楽器と思われるかもしれませんが、そんなイメージを覆すような究めた演奏をしたいと思いました」。その言葉通り、S-1グランプリで披露した曲は転調が多かったり、テンポが速かったりと、いずれも高難度だ。
 「授業では習わない高音を出す必要があるので、練習を重ねました。それでも練習するのが楽しくて、気づいたら2,3時間経っていたという感じです」。自信はあったものの、リコーダーを表舞台で披露するのは初めて。「恥ずかしかった」と、吹奏楽部の仲間には出場を伝えていなかった。そう言いながらも、大学生にウケそうな曲を選ぶなどの戦略が奏功し、会場は大いに盛り上がった。
 「緊張してミスもしましたが、いかに動揺せずにミスと気づかせないかもテクニックのひとつです」

これからも音楽を続けていきたい

 橋本さんは情報システム学科で学んでいる。「プログラミング技術を身につけたくてこの学科を選びましたが、難しくて苦戦しています」。音楽のように楽しいばかりではないようだ。将来の選択肢のひとつとして情報科の教員も視野に入れ、教職課程の勉強や音楽活動、アルバイトと忙しい日々を送っている。
 「これからも音楽は続けていきたいと思っています。まずは湘南キャンパスの吹奏楽部の部員を増やすことが目下の目標です」
 今年のS-1グランプリ出場も検討中なのだとか。2年連続受賞なるか?橋本さんの演奏が今から楽しみだ。

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    • 橋本 陸生 さん
    • はしもと りくお
    • 文教大学情報学部情報システム学科2年

      写真撮影場所:旗の台キャンパス
  • 橋本 陸生 さん