
お台場の船の科学館前に係留されている日本初の南極観測船「宗谷」。小出陸人さんは、保育園の時に見学に出かけて以来、南極のトリコになった。「船長さんの話がとても面白くて、夢中になりました」と陸人さん。小学校1年生の時には、3代目となる南極観測船「しらせ」の模型を自分で作成するまでになる。興味の方向は船だけにとどまらず、地球環境や生物学、地学、隊員が暮らす基地に関することまで、今は南極に関わることなら何でも吸収中だ。
将来の夢は、もちろん南極観測隊員になること。南極では氷や大気や海、生物や地質などの調査をすることで、地球についてさまざまな知見を得ることができる。陸人さんは「越冬隊のメンバーになって、南極の寒さを体験したり、アデリーペンギンやオーロラを実際にみてみたい」と夢を膨らませている。
南極に関する知識を得るためにいろいろなところに出かけている陸人さん。その豊富な知識には、関係者たち全員が驚くほどだ。そこで「そんなに南極に興味があるなら」と「南極クラス」の存在を教えてもらった。「南極クラス」は、観測隊員が暮らす建物づくりに関わるミサワホームが開催する、子どもたちに南極を知ってもらうための出張授業。早速、陸人さんは校長先生に直訴して、小学校で「南極クラス」を開催することにこぎつけた。南極の厳しい自然環境を知るために風速60mもの風を体感したり、軽くて暖かな越冬服を実際に着てみたり、南極に生きる動物たちの様子を教えてもらうなど、南極のさまざまな姿を、観測隊参加経験者から直接話を聞くことができた。
「この学校のいいところは、夢を叶えてくれるところ。『南極クラス』を呼んでくれた校長先生にはすごく感謝しています」と今でも興奮冷めやらない様子で話す陸人さん。そして今年も昨年に続き「南極クラス」の開催が決定した。その日が来るのを楽しみにする中で陸人さんは、みんなのために南極に関する基礎情報をまとめた資料を作成中だ。受講に向けて万全の態勢で臨もうとする陸人さんの、南極への熱い思いはまだまだ冷めることがなさそうだ。