あやなりBP

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2025年7月掲載
鈴木 良一 さん

鈴木 良一 さん

(立正学園溝の口小学校/1960年卒業)

早期退職後、実業家としてスタート

「私は止まっていられない性分。マグロと同じですよ!」
 鈴木良一さんは、ユーモアを交えながら親しみやすい笑顔でそう語る。
早稲田大学法学部を卒業後、生命保険会社の営業マンとして日本各地を駆け巡った。50歳で早期退職すると、株式会社グッドワンを創業して介護業界に進出。介護事業が軌道にのると、次は大学時代の友人とともにオーストラリアに拠点を移して起業。帰国後は北海道ニセコのフレンチレストランの跡地を買い取り、ホテルを開業した。つねに止まることなく、エネルギッシュに未踏の道を切り拓いてきた。
 株式会社グッドワンが展開する「にじの里」は、短時間のデイサービスを中心とした介護サービスグループ。現在、機能訓練を中心とするサービスを提供し、100人以上の従業員を抱える。しかし、その道のりは平坦ではなかったと振り返る。
「52歳で介護事業を始めた当時、実は心配のあまり、突発性難聴、帯状疱疹、円形脱毛症になりました。国の認可が下りるまでは必要な補助金も出ませんから、お金が入ってこず、家賃、給料などが出ていくばかりの当初の状況は不安でたまらないものでしたよ」
 施設のオープン後は、鈴木さん自らも施設長や運転手として奮闘。とくに従業員の人柄のよさが評判を呼んで人気施設となった。
「もう悩むのはやめよう、何事もどうにかなるさ。そんな覚悟のようなものが、このときの経験で得られたように思います」
 75歳を超えた今、達観の境地に至っている。

生まれ育った溝の口に守られて

 江戸時代、大山参りの人々が行き交う街道の宿場町だった溝の口(川崎市高津区)。この地の旧家に生まれた鈴木さんは、文教大学付属溝の口小学校(旧立正学園溝の口小学校)で学んだ。1学年40人ほどで、まるで家族のような雰囲気の学校だったと振り返る。なかでも、日蓮宗の寺院の僧侶だった担任の先生が印象に深く残っている。
「怖い先生で、しょっちゅう怒られていました(笑)。でも、ずっと一緒にいたから親父のような存在です。お亡くなりになったあと、同級生みんなでバスを仕立てて甲府までお墓参りにも行きました」
 今も小学校時代の同級生がたまにふらりと会社に訪ねてくることがあるなど、級友との交流は絶えない。先祖代々暮らした溝の口。この土地に根差した温かい人々との心のつながりが、鈴木さんの活力の源となっているようだ。

    • profile
    • 鈴木 良一 さん
    • すずき りょういち
    • 株式会社J.LODGING代表取締役会長
      立正学園溝の口小学校 1960年卒業
  • 鈴木 良一 さん