あやなりBP

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2026年8月掲載
髙橋 寿江 さん

髙橋 寿江 さん

(文教大学女子短期大学部栄養科/1988年卒業)

管理栄養士として入所者の「食」を支える

窓の外に湘南の海と江ノ島の風景が広がる、特別養護老人ホーム鵠生園。ここで暮らす入所者一人一人に寄り添う栄養ケア・マネジメントを担っているのが、管理栄養士の髙橋寿江さんだ。鵠生園には現在100人が入所し、平均年齢は88歳。それぞれの嚥下(えんげ)能力などに合わせて、常食、おかゆ、ミキサー食の3種類で食事が提供されるが、髙橋さんの活躍の場は調理場ではなく、入所者が食事を摂るフロアにある。
 食事の時間になると、髙橋さんは自ら入所者の食事を介助しながら、飲み込みにくそうにしていないか、食の進み具合に違和感はないかなど、小さな変化を拾い上げる。そこでたとえば「常食からおかゆに変えた方がいい」と感じたら、介護スタッフや看護師と相談して変更を決め、厨房に伝える。こうしたミールラウンドや栄養ケア・マネジメントは、現在、病院や施設の管理栄養士に求められる大きな役割だ。
 髙橋さんには日々大切にしている言葉がある。「ここは生活の場だからね」。施設に入職した時、前任の先輩管理栄養士に贈られた言葉だ。
「この施設は治療の場ではなく、入所者の方の暮らしが最期まで続く場所なんです。生活の中での楽しみといえば、やっぱり“ご飯を食べること”。日々の喜びや楽しみをお届けできることが、一番のやりがいですね」

母校の後輩たちの実習指導も

髙橋さんは、短期大学部を卒業後、神奈川県内の病院に勤務しながら管理栄養士資格を取得。糖尿病専門内科、行政、回復期リハビリ病院での勤務を経て、2021年4月に鵠生園に入職した。短大での2年間は、同じ目標を持つ仲間と多くの時間をともに過ごし、卒業後も集まって旅行に行くほど仲が良かったそう。「当時は湘南キャンパスができたばかりで、校舎はピカピカ。授業は調理実習や給食実習が多く、そのおかげで調理が好きになりました。栄養士としての土台を築いた2年間でした」
 鵠生園では、文教大学健康栄養学部の学生の実習も受け入れている。「実習初日に課題を出すと、5日後の最終日にはクリアできているんですよ。みんな別人みたいに成長するので、毎年実習がすごく楽しみ」と、後輩たちのがんばりに笑顔を見せる。
 現在は神奈川県栄養士会の理事として、対面研修などを通じて管理栄養士同士の横のつながりづくりを進める髙橋さん。「これまでのキャリアを通して、私は良い先輩方、良い仲間に支えられてきました。その恩返しの意味でも、今度は私が後輩たちにネットワークを残してあげたい」と、より広い視野で管理栄養士が働きやすい環境づくりに力を注いでいる。

    • profile
    • 髙橋 寿江 さん
    • たかはし ひさえ
    • 社会福祉法人上村鵠生会 特別養護老人ホーム鵠生園 管理栄養士
      文教大学女子短期大学部栄養科1988年卒業
  • 髙橋 寿江 さん