あやなりBP

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2026年8月掲載
吉田 悟郎 さん

吉田 悟郎 さん

(文教大学学園幼稚園/1993年卒園)

やってみたことのないことに挑戦してみよう

もし、現在の仕事に就いていなかったら? 俳優の吉田悟郎さんの場合は「公務員」だった。
公務員試験合格を目指していた大学3年生のある日、「これでいいのか?」という疑問がふと頭をよぎる。公務員という職業を選べば、安定した将来の見通しはある程度立つ。しかしその一方で、先の人生があまりにも予想できてしまうような気もして、得も言われぬ不安を覚えた。そこで、「じゃあ学生のうちに、これまでやったことのないことに挑戦してみよう」と思い立つ。
「その時、母がよくテレビを見ながら冗談交じりに『あなたもタレントになったらいいのに』『舞台とか向いてると思うのよね』と言っていたのを思い出して、僕も冗談交じりに舞台のオーディションを受けてみたんです。課題のセリフを読んでみたら『えっ本当に初めてなの?』と言ってもらえて、合格できました。3回、4回と舞台を重ねるうちに、どんどんおもしろくなっていき、気づいたら公務員試験を受けるタイミングも、就職のタイミングも逃していました」
とはいえ、その頃はまだ、ただ舞台がおもしろくて続けていただけだった。俳優を職業にする覚悟を決めていたわけでもなく、アルバイトをしながら舞台に立つ日々を過ごしていた。転機となったのは、事務所に所属したこと。CMやドラマに出演したことで、それまでとはまったく違う周りからの反応があって、「俳優」という仕事が初めて現実味を帯びた。俳優として生きていけるよう努力したい。演技力をもっと磨きたい。強くそう思うようになった時、吉田さんは27歳になっていた。

演じることの探究と興味は尽きない

そんな吉田さんに熱いエールを送り続けているのが、幼稚園時代の恩師たちだ。今年1月に出演した舞台にも、4人の恩師が足を運んでくれた。
「卒園してからも、道で先生方にお会いすることがよくありました。幼稚園のことも、先生たちのことも忘れたことはありません。この仕事をずっと応援してくださっているのは、本当にうれしいですね」
俳優という仕事の魅力について、吉田さんは「人間について突き詰めて考えられること」だと語る。舞台、映画、CM、テレビドラマなど活躍の場は多岐にわたるが、演じるのは自分が経験したことのない人生だ。台本を読んで、「こんなせりふ、自分には言えない…」と思うことも少なくない。それでも役に寄り添っていくうちに、演じる人物と自分自身の中に重なる部分があることに気づくと言う。その重なりの解像度を高めていくことが、役作りの核心になる。
それは他者を理解することであると同時に、自分自身を理解し、向き合うことでもある。時には、開けたくない引き出しを開け、見たくない自分と向き合わなければならないこともある。それでも、どの引き出しからどんな自分が現れるのか、その探求への興味は尽きない。

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    • 吉田 悟郎 さん
    • よしだ ごろう
    • 俳優
      文教大学学園幼稚園 1993年卒園
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