あやなりBP

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2021年8月掲載
坪井 順一 先生

坪井 順一 先生

(文教大学情報学部経営情報学科/1980年~2020年在籍)

経営学の学びから「どう生きるか」の答えを

 専修大学大学院経営学研究科の院生だった時に恩師に声をかけていただき、恩師とともに文教大学の教員に着任しました。当時は情報学部経営情報学科で、キャンパスは越谷にありました。その後、学部の移転とともに湘南キャンパスに籍を移し、長年、教鞭を執ることとなりました。
 人生の大半を過ごした文教での思い出は尽きませんが、毎年学園祭でゼミの学生たちと「うどん」を出したことは忘れられない思い出の一つでしょうか。うどんは出来合いのものを買って来るのではなく、小麦粉を捏(こ)ねるところから始めました。発酵させて、捏ねて、切って、茹でで、お椀に盛って売る。綿密な生産計画があり、それに沿って動きます。毎回約850食を作り、トッピングなしの基本価格が350円。打ち上げは全員で、熱海など近場の温泉へ行きました。それくらいの利益は出ていたんですね。
 材料の仕入れ、生産工程や販売方法について考える。売り上げを立てる。すべて経営学に通じることで、「うどん作り」は経営学の実地を学ぶのに大変良い機会だったと思います。そして生きた経営学とは人々の生活、暮らしに密着したもの、人間の営みとは切り離せないものだということも、肌で感じることができたのではないでしょうか。
 経営学とは結局は「命」を追究する学問です。教え子たちは様々な分野に進み、活躍していますが、どんな考え方で仕事に取り組み、人生をどう生きるか。自分なりの答えを導き出す時に、経営学の学びが役に立ってほしいと願っています。

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    • 坪井 順一 先生
    • つぼい じゅんいち
    • 昭和55年文教大学情報学部経営情報学科に着任。平成21年情報学部長。平成26年経営学部の創設に伴い、経営学部長に就任。令和2年3月定年退職、同年4月文教大学名誉教授。
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