2021年8月掲載
文教大学教育学部を卒業後、大学付属の溝の口小学校へ着任し4年生を受け持ちました。19名のクラスでしたが、37年経った今でも全員の名前を出席番号順に言うことができます。
溝の口小学校では、私立校ならではの特色ある教育が行われているのが印象的でした。夏の臨海学校、冬はスケート教室、英語の授業や舞踊の時間、中学受験をする生徒のための補習クラスもあり、私は放課後、社会科を担当させていただきました。また先生たちが個性的で、「子どもたちのためにどんなことができるか」を考え、ご自身も努力され、それぞれの表現で教育を実践されている。その姿勢に触れることができたのは、一生の宝物だと思っています。
1年後にはニュージーランドの日本語補習授業校の教員となり、ここでは溝の口小学校で学んだことを実践する毎日でした。例えば受験算数を担当されていた笈川信昭先生にならいテストの問題を自作したり、保護者とのコミュニケーションの取り方は武藤幸男教頭先生の姿をお手本としたりしました。オークランド日本語補習授業校は外務省の支援を受け、社員をニュージーランドへ派遣している企業や現地法人などが加盟する経済団体が資金を出して作った学校です。教育の成果が求められ、学校経営の責任者として保護者のニーズや期待に応えるという役割も担いましたが、溝の口小学校で経験したことがどれだけ役に立ったかしれません。