あやなりBP

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2020年8月掲載
永野 楠津紀 さん

永野 楠津紀 さん

(文教大学付属高等学校/2006年卒業)

患者さんの元気になった姿を見る喜び

 文教大学付属中学校からブラスバンド部に所属し、「部活動一色の6年間だった」と永野楠津紀さんは文教時代を振り返る。ほぼ毎日あった放課後の練習。春の定期演奏会、夏合宿、秋の文化祭と一年は部の活動で過ぎて行った。学業も文系選択だった永野さんが高校2年の時に決めた進路は「看護師」。理科の内藤晶子先生が永野さん用に受験対策用のプリントを用意してくださり、それを使って理系科目を勉強。帝京高等看護学院に現役合格し、現在は日本医科大学武蔵小杉病院の外科外来に勤務する。
 看護の仕事は人対人。病気を抱えた患者さんに寄り添い、元気になった姿を見ることにやりがいを感じている。特に初めて看護師として受け持った患者さんが肺がんだったことから、「がん看護」の専門知識を身につけようと「乳がん看護認定看護師」の資格も取った。

十代の頃にもどって笑える時間

 看護師になって11年。心がけているのは、「目の前の患者さんから逃げないこと」だと言う。
 「患者さんは病気という現実から逃げることができません。過酷な現実があったり、辛いことをお伝えしなければならないこともあったりしますが、患者さんと真摯に向き合い、痛みや不安をどうしたら軽くすることができるか、患者さんの立場になって考えるようにしています」
 そうしたケアによって、患者さんの安心する顔を見るのがどんな感謝の言葉よりもうれしいと永野さんは笑う。
 現在は新型コロナウイルス感染症の拡大で会うことが叶わないが、ブラスバンド部の仲間6人とは2カ月に一度は集まっている。人の命を預かる仕事は、仕事とプライベートの気持ちの切り替えをすることが難しいこともある。そんな時中学校・高等学校時代の友だちと過ごす時間は、十代の頃にもどって笑える息抜きの時間である。

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    • 永野 楠津紀 さん
    • ながの なつき
    • 日本医科大学武蔵小杉病院 看護師
      文教大学付属高等学校 2006年卒業
  • 永野 楠津紀 さん