あやなりBP

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2020年8月掲載
須原 洋 先生

須原 洋 先生

(文教大学付属幼稚園/1972年~2013年在籍)

設計に関わり、保育の現場として最高の園舎を

 退職する最後の3年間は付属幼稚園の園長を務めました。楽しいことばかり思い出されますが、一番大きな出来事はやはり2011年3月の東日本大震災でしょうか。11日当日は園児全員の帰宅を見届け、私自身は落成したばかりの付属中学校・高等学校の体育館に泊まりました。夜になると心細いのか、幼稚園で飼っていたオウムのマンボウが淋しい声で鳴いている。心配で様子を見に行き「園長先生が来たよ」と声をかけると鳴き止みました。卒園式は時間を短縮して挙行しましたが、出席できなかった子どももいましたね。ロッカーにはいつも礼服のモーニングコートを入れておき、希望があれば1人のためでも卒園式をしました。
 震災がきっかけとなって急ピッチで話が進み具体化して行ったのが、園舎の建て替えです。保育の現場に立つ先生たちとくり返し話し合いの場を持ち、出てきたアイデアはすべて設計の方に伝えました。完成したのは退職後となりましたが、落成式には呼んでいただき感無量でしたね。南向きで太陽が燦々(さんさん)とふり注ぐ教室。木をふんだんに使い、子どもが転んでもケガをしないよう配慮。もちろん耐震性にも優れた設計です。保育の現場としては最高の園舎ができたと思っています。

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    • 須原 洋 先生
    • すはら ひろし
    • 昭和47年立正女子大学短期大学部に事務職員として入職。昭和60年からは文教大学湘南キャンパス事務局。事務局次長を経て、平成16年からは文教大学付属中学校・高等学校事務室事務長、平成22年から付属幼稚園園長に就任し、平成25年退職。
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