あやなりBP

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2019年7月掲載
前田 あきこ さん

前田 あきこ さん

(文教大学女子短期大学部栄養科/1996年卒業)

体づくりをサポートできる人になりたい

 栄養・運動・睡眠・生活習慣指導の専門家として、これまで2万人以上の体質改善のサポートをしてきた前田あきこさん。「小さい頃から、人の身体に興味があり、栄養・運動・心理と総合的に手伝える人になりたいと思っていました」
 きっかけは、プロ野球選手との交流。プロ野球が盛んな地域で育った前田さんは、幼い頃から球場で試合を観戦していた。「当時は、試合に出られない選手がスタンドにいて、子ども達と話したりしていたんです」。その中で、試合に出て活躍する選手とそうでない選手の違いは何だろう、この人たちの役に立てることは何だろうという思いを抱くようになった。そんな時、「健康運動指導士という資格を知りました。フィットネスクラブや病院で健康づくりや体づくりに関わる仕事があるとわかり、興味をもったんです」
 そして、文教大学女子短期大学部へ進学。卒業後、栄養士としての実務経験を積みながら管理栄養士の資格を取得し、さらに健康運動指導士の資格の取得を目指した。

トップアスリートの支援から女性の悩み解決まで

 前田さんにとってひとつの転機は、2002年から日本スケート連盟の管理栄養士兼フィットネスコーチを務めたこと。ナショナルチームに帯同し、トップアスリートたちの食事の管理やトレーナーとして運動指導を行なった。「冬季スポーツならではの競技特性を踏まえ、選手が100%のパフォーマンスを発揮できるように考えました」
 そこで経験を積むうちに、前田さんの中である思いが生まれた。「男性よりも女性の方が悩みの種類が多い。より濃やかな身体のケアが必要な女性のサポートをしていきたい」
 その後、いくつかのクリニックでの経験を経て、現在は女性総合診療のクリニックで、ダイエットやホルモンバランスの改善のカウンセリングや栄養・運動・睡眠・生活習慣指導を行っている。

テーマは『わかる、カラダ、かわる。』

 前田さんは自身の役割を「通訳」と表現する。「『体質を変えたい』『痩せたい』という人で、テレビなどの健康情報や医師のアドバイスなど知識を詰め込んで、実際にやってみたけれど期待したような効果が出ないという方がたくさんいます。私は、そうした方たちの話を聞き、まずは自分の体が発している声を知ってもらう手伝いをしています」
 ひと言で「痩せたい」と言っても、体のどの部分をどのくらい引き締めたいのか、体重だけを落としたいのか、どんな目的で痩せたいのか、結果を出した先で何を楽しみたいのかなど、前田さんはその思いのプロセスを紐解いていく。同時に、自身の感覚を大事にして体の状態と向き合う重要性を伝える。「何を食べればよいか、どんな運動をすればよいかは、人それぞれ体の状態によって違います。だからこそ、今の状態を正しく知ることが、体質改善の第一歩なのです」。体が発しているシグナルをきちんとキャッチできるようになれば、「今やるべき行動」「今優先して食べるもの」が自然と見えてくる。そして、元の状態を正しく把握しておくことで、体の小さな変化やサインにも気づくことができ、はじめて、効果感や達成感を実感として味わえるようになるのだ。
 前田さんの考える「健康」とは「余白のあること」。無理して体づくりに時間をさいて挑戦し続けるよりも、自然と生活の中に取り入れ健康行動を習慣化させる。そうやって余白をつくっておくと、新しい興味や趣味などに取り組める余力がでたり、急に友人から誘いがあった時に心置きなく外食することができたりするようになる。そうして、健康の先には人生を楽しむことをすすめている。「人にとってストレスが少ないのは、習慣化してしまうこと。そのためにどんな方法があるのか、専門家の立場からアドバイスし、伴走者として体の声を通訳しながら一緒にゴールを目指すことが、私の役割だと感じています」

    • profile
    • 前田 あきこ さん
    • まえだ あきこ
    • 対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座・新宿 ダイエット外来担当 (栄養・運動・睡眠・生活習慣) 管理栄養士・健康運動指導士・日本抗加齢医学会認定指導士・分子整合栄養療法プロフェッショナル認定ONP・日本助産師会認定 妊産婦体操実践指導員・骨盤底筋エクササイズpfilAtes認定インストラクター・AEAJ認定アロマテラピーインストラクターほか各製薬会社の特定保健指導、各社健保や行政セミナー、様々なメディアでも活躍。
      文教大学女子短期大学部栄養科 1996年卒業
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